マツダが9月上旬に、ドイツ・フランクフルト郊外のマツダ・モーター・ヨーロッパの研究開発拠点にて「グローバル次世代技術フォーラム」を開催しました。

ここで目玉となったのが、マツダが2017年8月に発表した新技術搭載のエンジン「SKYACTIV-X」です。

世界から大注目のこの「SKYACTIV-X」ですが、いったいどんな技術なのか詳しくまとめました。

そもそもエンジンの仕組みって?

SKYACTIV-Xは既存のエンジンと一体何が違うのでしょうか。

その秘密は、エンジン内での「燃焼のしかた」にあります。

自動車を動かしている心臓部がエンジンですが、その仕組みは「空気と燃料を混ぜて爆発させ、その爆発の勢いでタイヤを回す」というものです。

その爆発を起こすために、エンジンでは基本的には4つの工程を延々と繰り返しています。

この“4ストロークエンジン”と呼ばれるエンジンが最も一般的です。

4stroke

ところで、車には「ディーゼルエンジン」と「ガソリンエンジン」があるのをご存知でしょうか。

ガソリンスタンドでは、軽油を入れるのが「ディーゼルエンジン」、レギュラーやハイオクを入れるのが「ガソリンエンジン」です。

この二つのエンジンにおける違いは多くありますが、今回SKYACTIV-Xに関係してくるのは先ほど述べた「4つの工程」での違いです。

 

ガソリンエンジンは、

・吸入

・圧縮

・燃焼・膨張

・排気

の4工程を繰り返しています。

ここでポイントなのは、

「吸入」のときに、空気と一緒にガソリンも取り込んで、ガソリンと空気の混ざった混合気をつくります。その混合気を圧縮し、点火装置で火花を発生させることで燃焼・爆発させて残った排ガスを捨てる、といった工程になります。

これに対してディーゼルエンジンでは、吸入の時には空気だけを取り込み、空気を圧縮して燃焼させる時に軽油を入れます。この際火花は使用せず自然発火します。これで爆発させ、最後に排ガスを捨てます。

 

ガソリンエンジンとディーゼルエンジンでなぜこのような違いがあるのかというと、ガソリンは「火があると引火しやすい」、軽油は「熱が加えられると勝手に火が付きやすい」という燃料の違いが関係しています。

ガソリンに火のついたマッチを近づけると火が付きますが、軽油はマッチを近づけても火が付きません。

その代わり、軽油は熱があるところにおくと火が勝手に発生します。

だからディーゼルエンジンでは先に空気を圧縮して熱くし、そこに軽油を入れて爆発させているのです。

ディーゼルエンジンではこの空気を圧縮する比率(圧縮比)が高いので、高いトルク(加速力)が得られます。

ガソリンエンジンでは「引火」させなければならないので、点火装置がついているんですね。ガソリンエンジンでは、圧縮比を上げてしまうと混合気に含まれるガソリンが勝手に爆発してしまい効率が悪くなってしまうので、圧縮比は低めになっています。

 

これら「エンジンの構造の違い」がSKYACTIV-Xにとって非常に重要になってきます。

SKYACTIV-Xに世界が注目するワケ

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べトルク(加速力)とても強いですが、代わりに最高速度はガソリンエンジンより遅くなります

対してガソリンエンジンは、ディーゼルエンジンに比べ加速力に劣るが最高速度は速いということになります。

これら一長一短のエンジンのいいとこどりをしたのが、SKYACTIV-Xなのです!

skyactiv

SKYACTIV-Xでは、「ディーゼルエンジンの仕組みをガソリンエンジンで行う」ことができます。

つまり、圧縮比が高いためトルク(加速力)が高く、最高速度も出る

という究極のエンジンが完成するのです。

しかし前述の通り、ガソリンエンジンでディーゼルエンジンのように圧縮比を高めてしまうと、勝手に爆発してしまいかえって燃費が悪くなります。

これを防ぐためには、「非常に薄いガソリン」を空気に混ぜる必要が出てきます。

これを制御するのは非常に難しく、スピードに応じて変わるエンジン内の状況を正確に把握し適切なガソリン量を入れる必要があります。

これが技術的に困難であったため、今までSKYACTIV-Xのようなエンジンを搭載した車は出てこなかったのです。

SKYACTIV-Xではガソリンエンジンでの圧縮着火を世界で初めて実現しました。この方式の性質上、ガソリンの使用量は極めて少なくなります(非常に薄いガソリンを空気に混ぜるため)。

そのため燃費は従来の車より20%~30%も改善するとのこと。

まとめ

2017年10月に行われる東京モータショーでは、新型のアクセラに搭載される見通しです。

skyactivx

新技術のお披露目が楽しみですね!!