「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるノーベル賞の一つイグノーベル賞を今年も日本人の研究者が受賞しました。その内容は、トリカヘチャタテの異常な生殖移管の発見です。

今回はその発見の内容、それからイグノーベル賞とはどのようなものなのか、過去の受賞例や今回受賞したチームの紹介をしていきたいと思います。

 

それでは!

 


<目次>

・2017年度イグノーベル賞受賞昆虫、トリカヘチャタテに迫る!

・イグノーベル賞受賞は笑いもの?毎年イギリスと日本で取り合う変わったノーベル賞

・過去のイグノーベル賞受賞一覧

・今回のトリカヘチャタテ研究のチーム紹介

 


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2017年度イグノーベル賞受賞昆虫、トリカヘチャタテに迫る!

「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられるイグノーベル賞の主役、トリカヘチャタテについてまとめていきたいと思います!

 

(虫嫌いな人閲覧注意!)

こちらが今回話題になっているトリカヘチャタテの画像です。

 

トリカヘチャタテは2010年に新種の昆虫として登録されて依頼、世界各地に5000種ほどの存在が確認されているチャタテムシの1種。

 

チャタテムシの体調は役3ミリほどで、同じ大きさの昆虫はシラミやなどがある、微小昆虫です。

生息地は写真のような葉っぱの表面や木の周り、岩の表面など、水の中以外ではさまざまな場所で発見できる昆虫です。

 

そして今回の話題の中心のチャタテムシの一種、トリカヘチャタテはブラジルの洞窟に棲む属だそうです。

発見した北海道大学のチームもブラジルの現地でトリカヘチャタテと発見したようです。

 

そんな小さなトリカヘチャタテの何が今回のイグノーベル賞の理由になったかというと、ずばりそれは交尾器の逆転です!

 

 

皆さん、イメージがわきますか?

 

簡単に説明すると、普通の昆虫ならばオスにはペニスがあり、メスにはヴァギナがあるというのが通常です。

しかし、トリカヘチャタテの場合、長年の進化の過程でその生殖器の形態に変化が起き、

メスがペニスのような交尾器を持ち、オスがメスのような交尾器を持つということなのです。

 

(トリカヘチャタテの生体拡大図)

 

トリカヘチャタテの交尾の特徴としては、交尾の際にオスの生殖器から精子が出されると同時に栄養を含んだ精包も一緒に放出するのです。

この放出される精子と精子包の獲得の劇化により、他の同種にオスの精子を取られるまいと、長い年月をかけてメスの交尾器がペニスのようになり、よりメス主体に交尾ができるように変化したのではないかというのが今回の研究の結論です。

 

そしてもう一つのトリカヘチャタテの交尾の特徴は、その時間です。40~70時間、

一般的には平均50時間とまで言われるその平均交尾時間の長さも、トリカヘチャタテの生体の特徴と言われています。

 


☆豆知識

トリカヘチャタテの名前の由来としては、姉弟が性別を入れ替えて宮中で暮らす様子を描いた、平安時代の古典「とりかへばや物語」の存在があるよう。

そこから名を受け、このトリカヘチャタテの名が付きました。

決してふざけてこの由来を取ったわけではなく、性淘汰理論に加え、性差が進化した背景などを考える上で重要な意味を持つとされています。


 

(トリカヘチャタテの生体メカニズム解析図)

 

(今回の発表が書かれている本)

「Female Penis, Male Vagina, and Their Correlated Evolution in a Cave Insect.
Kazunori Yoshizawa, Rodrigo L. Ferreira, Yoshitaka Kamimura, Charles Lienhard
Current Biology, 24(9):1006–1010, 2014」

 

 

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イグノーベル賞受賞は笑いもの?―毎年イギリスと日本で取り合う変わったノーベル賞

ノーベル賞のパロディとして、年々注目度が高まってきているこのイグノーベル賞。

まず、イグノーベル賞の名前の由来としては、

頭の部分の「イグ」というのが英語で「ig」と表記されるのですが、これは形容詞の否定の意味をもつ接続語で、他の有名な例としては「impossible」や「innocent」「incorrect」などの「im

」「in」が存在します。

ノーベルというのは正式なノーベル賞は「Nobel」という綴りですが、同じ発音で異義語の「Noble」(意味:高貴な・名高い)という単語が存在します。

ここで先ほどの「ig」と「nobel」をかけて、「名誉ではない⇔単なる名誉ではない」といった英語ならではのシャレの意味合いがあるようです。(※諸説あり)

※1 「イグノーベル(Ig Nobel)」とは、 ノーベル賞創設者であるノーベルに、「否定」を表す接頭辞に「イグ(Ig)」を加えて、英語の形容詞である「イグノーベル(恥ずべき、不名誉な、不誠実な)」という意味の単語とかけた造語。という説もあります。

 

イグノーベル賞は笑いもの?と書きましたが、これも立派な賞で、ユニークな科学研究を紹介するアメリカのサイエンス・ユーモア雑誌『風変わりな研究の年報 (Annals of Improbable Research)』を発刊する際に創設された科学賞です。

分類が設けられており、化学賞、平和賞、教育賞、経済学賞、心理賞、映像技術賞、文学賞などのなかから、毎年該当する団体に対して賞が贈られます。

原則として受賞者に対する賞金は無く、その授賞式はアメリカ・ハーバード大学にて行われます。

毎年9月に、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」を委員会が評価し、世に溢れる風変わりな研究、社会的事件などを起こした10の個人やグループに対して、時には笑いと賞賛を、時には皮肉を込めて授与されるものです。

 

このイグノーベル賞の受賞常連国は日本とイギリスで、今回の受賞にもイギリスの研究者から祝福の声が届いています。

 

過去のイグノーベル賞受賞一覧

 

ここで気になるのが過去の受賞歴、ですよね。

 

日本で過去に受賞したものはこちら

・たまごっち

・カラオケ

・バウリンガル(犬の声を言葉にするアプリ)

 

諸外国の受賞歴には

・「バーベキュー・グリルに点火する時間」の世界記録に対して。

・著者の言っていることに全く意味が無く、さらに「現実なんて実在しないのだ」と主張する研究を、熱心に出版したことに対して。

・検尿の際に患者がどのような容器を選ぶかについて、丹念に収集、分類、考察したことに対して。

・猫がコンピュータのキーボード上を歩くのを検出するソフトウェア「ポー・センス」の発明に対して。

 

など、一見くだらないことのように思われる研究内容ですが、よくよく考えてみると並大抵の努力ではできないような研究ばかり、やはり研究者というのはいろいろな意味ですごいですね!

 

 

気になる交尾動画入手!

トリカヘチャタテの交尾動画がありましたので、のせておきます。

ご興味のある方はご覧くださいませ。

 

 

最後に

いかがでしたでしょうか。

虫嫌いにとってはどうでもいいような話かもしれませんが、イグノーベル賞自体は面白い賞なので、楽しんでいただけたのではないでしょうか。

(実際に著者である私は昆虫が大の苦手なのですが、みなさんのお役に立てればと目を線にしながら記事を書き進めた次第でございます(笑))

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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